小公子セディ

バーネット原作の、世界名作劇場の1988年度の作品です。

生まれて初めて見た名作劇場の作品です。当時はコッキーよりも年下だったので詳細は全然覚えていなかったのですが、とにかくセディというキャラがお気に入りだったという記憶があります。基本的に女の子キャラばかり好きになっていた幼少期、人間の男の子のキャラを気に入るのは珍しい事でした。そんな記憶がぼんやりありつつ、ちゃんと見たのは中学生の時の再放送でした。その時からずっとお気に入りの作品です。

以下、昔運営していた世界名作劇場のファンサイトのセディのコーナーから一部抜粋します。

セディというと、真っ先に思い出すのは四つ葉のクローバーです。「四ツ葉のクローバーがくれた勇気!」と「セディが起こした奇跡!!」 というエピソードで、今までセディに対し冷たく、意地悪をしていたブリジットという女の子にセディが四つ葉のクローバーを渡し、伯爵の壷を割ってしまった事を正直に告白する勇気をブリジットに与えました。その後の心の丸くなったブリジットを見ると、こちらまで嬉しくなってきます。四つ葉のクローバーはセディの優しい心を象徴しているような気がします。
「セディ」は名作劇場の中でも地味な方ですが、優しい気持ちにさせてくれるような作品だと思っています。子供たちの遊んでいるシーンや、セディを可愛がるようになったドリンコート伯爵、母親のアニーの献身的な姿…見ているととてもほのぼのとして和むのですよね。父の死、母と別に暮らす事、そしてミンナとトムの登場と、決してほのぼのばかりではないですが、その度にセディと周囲の人たちの絆の強さに感激させられます。

これを書いた時は(今も?)、この作品が過小評価されていると感じていて、とにかくファンはここにいる!と存在を主張したかったり、再評価されればいいなという思いを込めてセディのコーナーを作りました。今は若干ですけどこの作品を好きだという声を昔よりも聞くようになった気がして、嬉しかったりします。

見返すと、終盤のセディとすっかり打ち解けたドリンコート伯爵がピンチに陥り、離れなければならなくなるかもしれない…という状況になった時に見えるふたりの強い思いに心を打たれる事が多いですね。孫と祖父の交流を描いたり、主人公が頑なな大人の心を溶かしていく作品が好きになった一因のような気がします。

2023年3月13日